新規事業で「議事録がない会議」が量産されると何が起きるか

新規事業の立ち上げに関わっていると、
会議の回数だけは増えていくのに、
なぜか前に進んでいる実感が持てない、
そんな状態に出会うことがあります。

話し合いはしている。
時間も使っている。
参加者も真剣です。

それでも数週間後に振り返ると、
「結局、何が決まっていたのか分からない」
という感覚だけが残る。

その背景にあることが多いのが、
議事録が残らない会議です。

目次

会議は多いが何も残らない状態

話した感覚だけが残る

議事録がない会議では、
「しっかり話し合った」という感覚だけが残りやすくなります。

意見を出し合い、
その場では納得感もある。
会議が終わった直後は、
前に進んだような気もします。

しかし数日経つと、
「何を前提にしていたか」
「どこまで合意していたか」
が曖昧になっていきます。

次アクションが曖昧

会議の終わりに、
「じゃあ、また次回」
となることも珍しくありません。

誰が何をやるのか。
それはいつまでなのか。
次に判断すべき論点は何か。

これらが明確に残らないため、
各自が手探りで動き始めます。
結果として、
調整や確認が増えていきます。

なぜ議事録が軽視されるのか

スピード重視という誤解

新規事業では、
「スピードが大事」という言葉がよく使われます。

その文脈で、
議事録は「遅くするもの」
「後回しでいいもの」
と捉えられがちです。

しかし、
記録がないことで生まれる確認作業ややり直しは、
決してスピードを上げてはいません。

記録は作業だと思われている

議事録は、
単なる事務作業だと思われることがあります。

誰かが余裕があればやるもの。
重要な判断とは別の話。
そう扱われやすい役割です。

その結果、
「今日はいいか」
「次からちゃんとやろう」
が積み重なっていきます。

記録がないことで起きる弊害

決まった前提が揺らぐ

記録が残らないと、
過去の会議で合意した前提が揺らぎます。

「それは決まっていたはず」
「いや、そこまでは決めていない」

こうしたやり取りが生まれます。
どちらが正しいかは分かりません。
なぜなら、
確認できるものがないからです。

同じ議論が繰り返される

前提が共有されないため、
同じ論点が何度も持ち上がります。

新しい視点での議論ではなく、
過去の繰り返しです。

参加者の疲労感は増え、
「またこの話か」という空気が漂います。
それでも前には進みません。

初期フェーズに必要な最低限の記録

議事録は、
完璧である必要はありません。
初期フェーズでは、
最低限押さえるべきポイントがあります。

決定事項

その会議で、
「決まったことは何か」。

仮決めであっても構いません。
現時点の判断として、
何を前提に進むのかを残します。

未決事項

逆に、
「まだ決めていないこと」も重要です。

決まっていないことが明確になると、
次に何を判断すべきかが見えてきます。

前提条件

判断の背景にあった前提条件も、
簡単で構いません。

「この仮説が正しければ」
「この条件が変わらなければ」
といった一言があるだけで、
後からの理解が大きく変わります。

推進役が担う記録の役割

記録で前進を固定する

推進役やプロダクトマネージャーにとって、
記録は「進んだ事実を固定する手段」です。

話し合った内容を、
言葉として残すことで、
初めて前進が確定します。

言ったことを「決まったこと」に変える

会議で発言された内容は、
記録されて初めて意味を持ちます。

議事録は、
意見を「決定事項」や「前提」に変える役割を担います。

それによって、
次の一歩が取りやすくなります。

まとめ

新規事業の現場では、
会議そのものが問題なのではありません。

何が残っているか
何を次につなげられているか
が問われています。

議事録がない会議が続くと、
判断は曖昧になり、
同じ議論が繰り返され、
前進の実感が失われていきます。

記録を整えることは、
管理を強めることではありません。
前に進むための足場をつくる行為です。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。

会議の中で、
何が残っていて、何が残っていないのか。
そこから見えてくることもあります。

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