新規事業で「決定事項が共有されない」まま進む怖さ

新規事業の現場で、
こんな違和感を覚えたことはないでしょうか。

「この方針、もう決まっていましたよね?」
「え、それはまだ検討中だと思っていました」

誰かが間違っているわけではない。
会議もしているし、話し合いもしている。
それでも、人によって前提が微妙に違う

この状態は、新規事業では珍しくありません。
そして、静かにプロジェクトを蝕んでいきます。

目次

決まったはずなのに伝わっていない

人によって認識が違う

新規事業の初期フェーズでは、
決定事項が「完全な文章」になることは少ないです。

・会議中に口頭で合意した
・チャットで軽く流れた
・「前回そんな話だったよね」で終わった

その結果、
同じ決定を聞いていても、
受け取り方が人によって異なります。

Aさんは「もう確定」
Bさんは「一旦の方向性」
Cさんは「まだ仮」

全員が真面目なのに、
全員の認識がズレている。

動きがズレる

認識がズレたまま作業が進むと、
当然アウトプットもズレます。

・仕様が想定と違う
・検証の目的が噛み合わない
・外注先の理解が浅い

このズレは、
誰かが怠けているからではありません。

「決まったこと」が固定されていないだけです。

なぜ共有が曖昧になるのか

忙しさによる省略

新規事業の現場は、
とにかく時間がありません。

・次の会議
・次の判断
・次の調整

「あとでまとめよう」
「いまは動くのが先」

こうして、
決定事項の共有が後回しになります。

その「あとで」は、
ほとんどの場合、やってきません。

暗黙知に頼る文化

日本の組織では特に、
暗黙の了解に頼りがちです。

・察してほしい
・聞かなくても分かるだろう
・空気で共有できているはず

しかし新規事業は、
前例も共通言語も少ない世界です。

暗黙知が通用する前提が、
そもそも存在していません。

決定事項が共有されない弊害

手戻りが増える

最初は小さなズレでも、
積み重なると大きな手戻りになります。

・作り直し
・説明し直し
・関係者への再調整

これらは表面上、
「よくあるトラブル」に見えます。

しかし根本原因は、
決定事項が固定されていないことです。

信頼が削られる

もっと厄介なのは、
人間関係への影響です。

・「ちゃんと伝えたはず」
・「聞いていない」
・「話が違う」

誰かを責めたいわけではないのに、
不信感だけが残ります。

新規事業では、
信頼はスピードそのものです。

その信頼が、
少しずつ削られていきます。

初期フェーズで共有すべき最低限

決めたこと

完璧なドキュメントは必要ありません。
最低限、次の点が共有されているかが重要です。

・何を決めたのか
・誰が決めたのか
・いつ決めたのか

「なぜ決めたか」まで含められると、
後からのズレが減ります。

決めていないこと

同じくらい重要なのが、
決めていないことの共有です。

・ここはまだ仮
・この前提は検証中
・次の判断ポイントはここ

これが明示されていないと、
未決事項が勝手に確定扱いされます。

推進役が担う固定作業

決定を言語化する

推進役の重要な役割は、
決定事項を「言葉に固定する」ことです。

それは立派な資料である必要はありません。

・箇条書き
・短いメモ
・簡単な共有文

大切なのは、
誰が見ても同じ解釈になる形です。

前提を揃える

もう一つの役割は、
前提条件を揃えることです。

・この判断はどこまで有効か
・何が変わったら見直すのか
・誰に影響するのか

前提が揃っていれば、
次の議論は格段に進みやすくなります。

まとめ

新規事業において、
決定事項が共有されないまま進むのは、
とてもよく起きることです。

忙しさもある。
スピードも求められる。
誰かが悪いわけではありません。

ただ、
決定が固定されない状態が続くと、
ズレと不安だけが積み上がっていきます。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「話は進んでいるのに、なぜか噛み合わない」と感じているなら、
一度、決まったことと決まっていないことを整理してみることも選択肢のひとつです。

それだけでも、
プロジェクトは少し呼吸しやすくなります。

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