新規事業において「正しい答え」を探すのをやめた方がいい理由

新規事業や新規プロダクトの立ち上げ初期では、
「まだ判断するには早いのではないか」と感じる場面が何度も訪れます。

情報が足りない。
選択肢が多い。
間違えたくない。

その結果、
「もう少し調べてから」
「他の事例も見てから」
と判断が後ろにずれていく。

気づけば、
何も決まっていないわけではないのに、
何も前に進んでいないような感覚だけが残る。

この停滞は、
誰かが慎重すぎるから起きているわけではありません。
多くの場合、「正しい答え」を探そうとする構造そのものが、
プロジェクトを止めてしまっています。

この記事では、
新規事業において「正解探し」が起こしやすい停滞を、
個人の判断力の問題ではなく、
初期フェーズ特有の構造として整理していきます。

目次

正解探しが事業を止める

判断が先延ばしになる構造

新規事業の現場では、
意思決定の前に必ずと言っていいほど、
「正しいかどうか」を確認しようとします。

この姿勢自体は自然なものです。
ただ、正解が存在しない状況で正解を探そうとすると、
判断は先延ばしになりやすくなります。

判断の材料が揃ってから決めようとすると、
いつまでも「揃っていない」という状態が続きます。

結果として、
決めないことが最も安全な選択になります。

失敗を恐れる心理

正解探しの背景には、
失敗を避けたいという心理があります。

初期フェーズでは、
一度の判断が大きな影響を与えるように感じられます。

そのため、
「間違えたらどうするか」
「責任をどう取るのか」
といった思考が先に立ちます。

この心理が強くなるほど、
正しい答えが見つかるまで動かない、という構造が生まれます。

なぜ初期フェーズに正解はないのか

情報が揃わない前提

新規事業の構想段階では、
そもそも情報が揃いません。

市場の反応も、
ユーザーの行動も、
実際に動かしてみなければ分からない部分が多くあります。

この前提を無視して、
正解を見つけようとすると、
判断はどんどん重くなります。

正解がないのではなく、
正解を判断できるだけの情報が存在しない。
それが初期フェーズの特徴です。

仮説で進む必要性

この段階で扱っているのは、
あくまで仮説です。

仮説は、
正しいかどうかを証明するものではなく、
試してみるための前提です。

仮説で進むこと自体に、
不安を覚えるのは自然なことです。

ただ、仮説で進まなければ、
新しい情報は得られません。

決断と修正の繰り返しという現実

一度決めて終わりではない

新規事業における意思決定は、
一度きりのものではありません。

決めて、動いて、見直す。
この繰り返しが前提になります。

それにもかかわらず、
最初の判断に「正しさ」を求めすぎると、
一歩目が踏み出せなくなります。

初期フェーズの決断は、
暫定的なものとして扱われることが多いのです。

修正前提の進行

修正が前提であるなら、
最初の判断に完璧さは求められません。

重要なのは、
修正できる状態で動いているかどうかです。

動いていれば、
判断の材料は増えていきます。

止まっていれば、
正解を探し続けるしかありません。

意思決定を前に進める役割

判断材料の整理

ここで重要になるのが、
判断そのものではなく、
判断材料を整理する役割です。

何が分かっていて、
何が分かっていないのか。

今の判断で影響が大きい部分はどこか。
後から修正しやすい部分はどこか。

これらが整理されているだけで、
意思決定の重さは変わります。

プロダクトマネージャーや推進役は、
正解を出す人ではありません。
判断しやすい状態をつくる人です。

決めやすい状態をつくる

正解が見えない状況でも、
決めやすい状態はつくれます。

判断の範囲を小さくする。
仮置きであることを明確にする。
次に見直すタイミングを決めておく。

こうした整理があるだけで、
「正しいかどうか」から
「今はこれで進めるかどうか」へと視点が変わります。

動きながら整えるという考え方

最初の一歩の意味

最初の一歩は、
事業を完成させるための一歩ではありません。

学ぶための一歩です。

動いてみることで、
初めて見える課題があります。

動かないままでは、
正解かどうかを判断する材料も増えません。

実行から学ぶ姿勢

新規事業では、
実行そのものが情報になります。

この視点に立つと、
判断は少し軽くなります。

正解を当てにいくのではなく、
次の判断材料を得にいく。

その積み重ねが、
結果的に事業を前に進めます。

まとめ

新規事業や新規プロダクトの立ち上げ初期では、
「正しい答え」を探そうとするほど、
判断が止まりやすくなります。

それは、
能力や覚悟の問題ではありません。
正解が存在しないフェーズで、
正解を求めてしまう構造によって起きています。

もし今、
「決められない状態」が続いているなら、
正解探しをしていないか、
一度立ち止まって見直してみるのもひとつです。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。

目次