新規事業の立ち上げで「一番最初にやるべき仕事」は何か

新規事業の立ち上げに関わっていると、
こんな状況に出会うことがあります。

・アイデアはある
・やる気もある
・人もある程度集まっている

それなのに、なぜか前に進まない。
会議は増え、資料は増え、検討事項も増える。
しかし、事業としての輪郭ははっきりしてこない。

この状態にいる人は、決して少なくありません。
そして多くの場合、最初の一歩でつまずいています

目次

多くの人が最初にやってしまうこと

いきなり資料を作る

新規事業の立ち上げで、
最初にやりがちなことの一つが資料作成です。

・事業概要
・市場調査
・競合分析
・スケジュール

一見、正しい初動に見えます。
しかし、この段階で資料作成に力を入れすぎると、
「考えた気になる」状態に陥りやすくなります。

資料は整理されたアウトプットです。
整理する前に作ると、
前提が揃っていないまま情報だけが積み上がります。

いきなり作り始める

スピード重視の文化では、
「まずは作ってみよう」という判断も多く見られます。

プロトタイプ、デザイン、システム。
動くものがあると、進んでいる感覚が生まれます。

ただ、
・誰が何を決めるのか
・どこまでが検証なのか
が曖昧なまま作り始めると、
後から修正や手戻りが連鎖します。

いきなり人を集める

「まずはチームを作ろう」
これもよくある初動です。

しかし、役割や判断の枠組みが決まっていない状態で人を集めると、
調整コストだけが先に増えます。

人数が増えるほど、
決めることは難しくなりやすい。
これは個人の能力ではなく、構造の問題です。

本当に最初に必要な作業

何を決めるかを決める

新規事業の立ち上げで、
一番最初にやるべき仕事は、
**「何を決めるかを決めること」**です。

・今、決めること
・今は決めないこと
・後で決めること

この切り分けがないまま進むと、
すべてが検討対象になり、判断が重くなります。

決める量を減らすことは、
進めるための重要な準備です。

判断の前提を揃える

同じテーマを議論していても、
人によって前提が違うと、話は噛み合いません。

・短期成果を重視するのか
・中長期の学習を優先するのか
・失敗をどこまで許容するのか

こうした前提が揃っていないと、
判断は毎回ブレます。

最初にやるべき仕事は、
答えを出すことではなく、前提を揃えることです。

進め方を決める重要性

進行の型がないと止まる

新規事業は不確実性が高い分、
「進め方の型」がないと止まりやすくなります。

・誰が論点を整理するのか
・どのタイミングで判断するのか
・決まらなかった場合はどうするのか

この型が決まっていないと、
個々の判断にすべてが委ねられます。

結果として、
担当者の負荷が集中し、スピードが落ちます。

会議が増えるだけになる

進め方が決まっていないプロジェクトほど、
会議が増えます。

会議自体が悪いわけではありません。
問題は、
「何を決める場なのか」が曖昧なまま開かれることです。

決める型がないと、
話す場だけが増え、前には進みません。

初期に整えるべき前提条件

役割と責任

初期フェーズで最も重要な前提の一つが、役割です。

・誰が最終判断をするのか
・誰が論点を整理するのか
・誰が進行を担うのか

肩書きよりも、実際の役割が重要です。
役割が決まっていないと、
判断は宙に浮き続けます。

優先順位

すべてを同時に進めることはできません。

・検証
・収益
・スピード
・品質

どれを優先するのかは、フェーズによって変わります。
最初に優先順位を言語化しておくだけで、
判断はかなり楽になります。

判断ルール

初期フェーズでは、
毎回完璧な情報が揃うことはありません。

だからこそ、
・どの時点で決めるか
・どこまでの情報で決めるか
というルールが必要になります。

ルールがあることで、
判断は「勇気」ではなく「手順」になります。

一歩目を踏み出すための考え方

完璧を待たない

新規事業において、
完璧な状態は存在しません。

・情報は足りない
・前例もない
・正解も分からない

それが前提です。
完璧を待つほど、時間だけが過ぎていきます。

小さく動き、修正する

初期フェーズに求められるのは、
一発で当てることではありません。

・小さく決める
・動いてみる
・ズレを修正する

この繰り返しです。

そのためにも、
最初に「どう進めるか」を整えておくことが重要になります。

まとめ

新規事業の立ち上げで、
一番最初にやるべき仕事は、
アイデア出しでも、資料作成でも、制作でもありません。

進め方を決めること。
判断の前提を揃えること。
役割とルールを言語化すること。

これらが整っていないと、
どれだけ良いアイデアがあっても、前には進みません。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。

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