リモート中心の新規事業がうまくいかない会社の共通点

リモート中心で新規事業を進めていると、
次のような違和感を覚えることがあります。

・定例は回っている
・情報共有もされている
・チャットも活発に動いている

それなのに、
なぜか前に進んでいる実感がない
誰かが反対しているわけでもなく、
大きなトラブルが起きているわけでもない。

「やっぱりリモートは新規事業に向かないのか」
そんな疑問が頭をよぎることもあるかもしれません。

ただ、多くの現場を見ていると、
問題はリモートそのものではなく、
リモート前提の運用設計にあるケースがほとんどです。


目次

リモート自体が原因ではない

うまくいく会社もある

同じようにリモート中心でも、
着実に前に進んでいる新規事業は存在します。

・判断が止まらない
・小さく決めて動けている
・迷いが出た時にすぐ修正できる

こうしたチームを見ると、
リモート=失敗の原因
とは言い切れないことが分かります。

問題は運用設計にある

うまくいかない会社に共通するのは、
「対面でやっていたことを、そのままリモートに移した」
という状態です。

・会議の目的が曖昧なままオンライン化
・判断の流れが見えない
・情報は増えるが整理されない

結果として、
リモート環境が問題を拡大させてしまいます。


情報と判断の分断

情報は共有されるが決まらない

リモート環境では、
情報共有自体はしやすくなります。

・チャットでの報告
・ドキュメントの共有
・議事録の蓄積

一方で、
「共有された情報をどう判断に使うのか」
が曖昧なままになることが多くあります。

情報は流れているのに、
決定事項が増えていかない。
これが停滞の正体です。

誰が判断しているか見えない

対面であれば、
場の空気や発言の流れから
「誰が決めているのか」が見えやすくなります。

リモートでは、
その暗黙の了解が機能しません。

・最終的に誰が決めるのか
・どこまでが提案で、どこからが決定か

これが不明確なままだと、
誰も判断を引き取らなくなります。


会議とチャットの使い分け

会議:決める場

リモート中心の新規事業では、
会議の役割を明確にすることが重要です。

会議は、
話し合う場ではなく、決める場
として設計されているか。

・今日は何を決めるのか
・決めた結果、次に何が動くのか

これが曖昧な会議は、
リモートでは特に疲弊を生みます。

チャット:進捗と論点の整理

チャットは便利ですが、
議論の場にすると混乱しやすくなります。

・進捗の共有
・論点の洗い出し
・次の判断材料の整理

この役割に限定しないと、
決まらない議論が延々と続きます。

ドキュメント:決定事項の固定

リモートでは、
「決まったこと」が流れやすくなります。

そのため、
決定事項を固定する場所が必要です。

・何が決まったのか
・前提は何か
・次の判断はいつか

ドキュメントは
説明のためではなく、
判断を固定するために使われます。


初期フェーズに必要な接点

認識合わせの頻度

新規事業の初期フェーズでは、
認識のズレが必ず生まれます。

リモート環境では、
そのズレに気づくのが遅れがちです。

だからこそ、
短時間でも頻度の高い認識合わせが重要になります。

・今どこで迷っているのか
・前提は変わっていないか

これを放置すると、
小さなズレが後で大きな手戻りになります。

迷いが出た時の即時調整

リモート中心のチームほど、
「次の定例まで待つ」判断が増えます。

ただ、
初期フェーズでは待つこと自体が
停滞につながります。

迷いが出た時に、
すぐ整理できる接点があるかどうか。
これが前進を左右します。


推進役の存在価値

分断をつなぐ役割

リモート環境では、
情報・判断・感情が分断されやすくなります。

推進役やプロダクトマネージャーは、
その分断をつなぐ役割を担います。

・情報を論点に変える
・論点を判断につなげる
・判断を行動に落とす

誰かが意識的にこの流れを作らない限り、
リモート新規事業は止まりやすくなります。

前に進む運用に変える

推進役の役割は、
何かを決めることそのものではありません。

・決めやすい状態を作る
・決まった後の混乱を防ぐ
・次の一歩が見える形にする

リモートだからこそ、
こうした役割の価値は高まります。


まとめ

リモート中心の新規事業がうまくいかない時、
原因は「リモートだから」ではないことがほとんどです。

・情報と判断が分断されていないか
・決める場と共有する場が混ざっていないか
・判断を引き取る役割が不在になっていないか

こうした構造を見直すことで、
リモートでも前に進める余地は十分にあります。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「リモートだと進まない気がする」と感じているなら、
一度、運用や役割の整理から見直してみることも選択肢のひとつです。

それだけで、
少し前に進めそうな感触が戻ってくることもあります。

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