新規事業や新規プロダクトの立ち上げ初期で、
こんな状態に心当たりはないでしょうか。
計画書はある。
資料も整っている。
数字も一通り入っている。
それでも、
なぜか現場は動き出さない。
次に何をすればいいのか、誰もはっきり言えない。
「もう少し精度を上げてから」
「計画を固めてから動こう」
そう言いながら、
計画書の更新だけが続いていく。
この違和感は、
能力や準備不足の問題ではありません。
新規事業の初期フェーズで、とても起こりやすい構造です。
この記事では、
なぜ新規事業に完璧な計画書が必ずしも必要ではないのかを、
精神論ではなく、進め方の構造として整理していきます。
計画書作成に時間をかけすぎる問題
進んでいる気になる危険性
計画書を作っていると、
前に進んでいる感覚を得やすくなります。
ページが増える。
数字が埋まる。
指摘事項が減っていく。
ただ、これは
「整ってきている感覚」であって、
「進んでいる感覚」とは少し違います。
計画書が精緻になる一方で、
現実の検証や意思決定は、ほとんど進んでいない。
そんな状態は珍しくありません。
計画が目的化する瞬間
本来、計画書は
進めるための手段です。
ただ、新規事業では、
計画書そのものがゴールになってしまうことがあります。
「この内容で大丈夫か」
「突っ込まれないか」
「説明できるか」
こうした視点が強くなると、
計画を完成させることが目的になります。
結果として、
動くための計画ではなく、
止まるための計画になってしまいます。
なぜ初期フェーズは計画がズレるのか
情報が揃っていない前提
新規事業の構想段階では、
そもそも情報が揃っていません。
市場の反応。
ユーザーの行動。
実際の運用負荷。
これらは、
動かしてみないと分からない要素です。
その状態で
完璧な計画を作ろうとすると、
仮定と推測が積み重なります。
計画がズレるのは、
作り方が悪いからではなく、
前提が不確実だからです。
仮説が外れるのは自然
初期フェーズで立てる計画は、
ほぼすべてが仮説です。
仮説が外れること自体は、
異常ではありません。
むしろ、
外れたという事実から、
新しい判断材料が得られます。
それにもかかわらず、
最初の計画を正解として扱ってしまうと、
修正がしづらくなります。
計画に縛られて動けなくなる、
という逆転現象が起きやすくなります。
最低限あれば進められる要素
初期に必要な共通認識
初期フェーズで本当に必要なのは、
詳細な計画書よりも、
いくつかの共通認識です。
たとえば、
・この新規事業の目的は何か
・今は検証フェーズなのか、構築フェーズなのか
・どこまでを仮で進めるのか
これらが共有されているだけで、
現場の迷いは大きく減ります。
決めておくべき最低ライン
すべてを決める必要はありません。
最低限、次の一歩を動かすためのラインだけで十分です。
誰が意思決定をするのか。
どこまでを現場で判断していいのか。
いつ見直す前提なのか。
このラインがあると、
計画の精度が多少低くても、
前に進める状態が作れます。
動かしながら整えるという考え方
計画より実行を優先する意味
計画を軽視する、という話ではありません。
優先順位の話です。
初期フェーズでは、
「正しい計画」を作るより、
「次の判断材料」を増やすことの方が重要になります。
小さく動く。
反応を見る。
前提を更新する。
このサイクルを回すことで、
計画の精度は結果的に上がっていきます。
修正前提で進める姿勢
修正を前提にしていない計画は、
初期フェーズでは重荷になります。
一方で、
「後で変えていい」と明示された計画は、
意思決定を軽くします。
完璧でなくてもいい。
仮で進めていい。
この前提があるだけで、
一歩目は踏み出しやすくなります。
計画よりも重要なもの
進め方と判断ルール
新規事業で重要なのは、
計画の完成度よりも、
進め方が定まっているかどうかです。
どのタイミングで何を決めるのか。
意見が割れた時にどう判断するのか。
誰が最終的に責任を持つのか。
これらが曖昧なままだと、
どんなに立派な計画書があっても、
現場は止まります。
推進できる体制
計画を実行に移すには、
推進できる体制が必要です。
全体を見て整理する人。
判断を前に進める人。
迷った時に立ち戻れる軸を持つ人。
プロダクトマネージャーや推進役の価値は、
計画書を作ることではなく、
計画と現実のズレを調整し続ける点にあります。
まとめ
新規事業や新規プロダクトの立ち上げ初期に、
完璧な計画書が必要になる場面は、実は多くありません。
計画が足りないから進まないのではなく、
進め方が定まっていないから止まってしまう。
そんなケースも少なくありません。
もし今、
「計画書はあるのに動けない」
「計画を詰めるほど不安が増える」
と感じているなら、
計画の精度ではなく、
進め方そのものを整理してみる。
それも、自然な選択肢のひとつです。
新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。
