新規事業や新規プロダクトの立ち上げに関わっていると、
いつの間にか会議の予定でカレンダーが埋まっていく、という感覚に陥ることがあります。
定例会議。
検討会。
共有ミーティング。
話し合いは重ねている。
資料も更新されている。
関係者も増えている。
それでも、
「何が決まったのか」と聞かれると、
はっきり答えられない。
忙しさはあるのに、前に進んでいる実感がない。
この違和感は、多くの新規事業の現場で見られるものです。
誰かが怠けているわけではありません。
能力が足りないわけでもありません。
会議ばかりになる背景には、共通した構造があります。
この記事では、
新規事業が「会議ばかりで進まない」状態に陥る理由を、
個人の姿勢ではなく、組織や進め方の構造として整理していきます。
会議が増える理由
不安と責任回避
新規事業の初期フェーズでは、
不確実な要素が多くなります。
市場は未知。
成果も保証されない。
判断の正しさも後にならないと分からない。
この不安が強いほど、
一人で判断することが難しくなります。
結果として、
「みんなで話そう」
「一度持ち帰ろう」
という形で会議が増えていきます。
会議は、不安を分散するための手段になりやすいのです。
情報共有の目的化
本来、会議は何かを決めるための場です。
しかし、会議が増えていくと、
いつの間にか目的が変わっていきます。
「とりあえず共有する」
「認識を合わせる」
この状態が続くと、
情報を集めること自体がゴールになります。
情報は増える。
理解も深まる。
ただ、意思決定にはつながらない。
会議が増えるほど、
「話した気になる」状態が強化されていきます。
決まらない構造
合意をゴールにしている
会議が多い組織では、
合意形成が最優先になっていることがあります。
全員が納得するまで決めない。
反対意見がなくなるまで進まない。
慎重さとしては自然ですが、
初期フェーズでは、
合意=前進とは限りません。
合意をゴールにしてしまうと、
判断はどんどん後ろにずれていきます。
判断者不在
もうひとつよくあるのが、
「誰が決めるのか」が曖昧な状態です。
担当者はいる。
責任者もいる。
ただ、最終判断の所在がはっきりしない。
その結果、
会議では意見が出るだけで、
決断は次回に持ち越されます。
会議が終わるたびに、
「検討が進んだ」という言葉だけが残ります。
誰も責任を持たない状態
担当はいるが責任がない
新規事業では、
「担当」という肩書きが付くことがあります。
ただし、その担当が
どこまで決めていいのかは別問題です。
決定権がない。
失敗の責任を取れない。
だから判断できない。
この状態では、
担当者は調整役に徹するしかありません。
結果として、
会議を開き、意見を集め、
判断を上に返す、という流れが固定されます。
先送りの連鎖
判断が先送りされると、
次の判断も先送りされます。
一つ決まらないことで、
他の論点も止まります。
この連鎖が続くと、
「今は動かないのが無難」という空気が生まれます。
会議は続く。
でも、決めないことが最適解になってしまう。
この構造が、
会議ばかりで進まない状態を作ります。
推進役不在の問題
全体を見る人がいない
会議が多いプロジェクトでは、
部分最適の議論は進んでいます。
企画の話。
技術の話。
運用の話。
ただ、それらを横断して
「今、何を決める段階なのか」を整理する人がいない。
全体を見る人が不在だと、
会議は増えても前には進みません。
前に進める役割
ここで必要になるのが、
推進役という役割です。
推進役は、
すべてを決める人ではありません。
判断を引き出し、
調整を行い、
一歩目を動かすための形を整える人です。
プロダクトマネージャーの役割も、
この推進に近い位置づけになります。
この役割があるかどうかで、
会議の意味は大きく変わります。
会議を減らし、前に進める方法
決める場の設計
会議が悪いわけではありません。
問題は、
「何を決める場なのか」が曖昧なことです。
この会議で決めることは何か。
決まらなかった場合、どうするのか。
これが整理されているだけで、
会議は短くなり、数も減っていきます。
推進役を置く
会議を減らすために、
まず必要なのは、
進めるための役割を明確にすることです。
誰が前に進めるのか。
誰が判断を整理するのか。
この役割が定まると、
会議は「必要なときだけ」開かれるようになります。
まとめ
新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
会議が増え、進まなくなることは珍しくありません。
それは、
真剣に取り組んでいるからこそ起きる構造でもあります。
もし今、
「会議ばかりで前に進まない」と感じているなら、
それは個人の問題ではなく、
進め方の整理が追いついていないだけかもしれません。
新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。
