新規事業で「誰の責任か分からない仕事」が増え始めたら要注意

新規事業の立ち上げが進む中で、
こんな違和感を覚えたことはないでしょうか。

・タスクは増えているのに、前に進んでいる感じがしない
・「これ、誰がやるんだっけ?」という話が頻繁に出る
・気づくと、特定の人だけが忙しくなっている

表面上は動いているように見えても、
水面下では停滞が始まっている。
その兆しのひとつが、
「誰の責任か分からない仕事」が増え始めることです。

これは、担当者の意識や能力の問題ではありません。
新規事業の初期フェーズで起きやすい、
ごく構造的な現象です。


目次

責任が曖昧なタスクが増殖する現象

いつの間にか増える「誰かがやる仕事」

新規事業では、
最初からすべての役割が明確に決まっていることは
ほとんどありません。

・必要そうだから誰かが手を出す
・今は手が空いている人が対応する
・とりあえず進めるために引き取る

こうした判断が積み重なることで、
「誰かがやる仕事」が少しずつ増えていきます。

最初は問題になりません。
むしろ、前向きで柔軟な動きに見えます。
しかし、一定量を超えると、
責任の所在が分からないタスクが
プロジェクト全体を覆い始めます。

依頼元もゴールも曖昧なタスク

責任が曖昧な仕事には、
いくつか共通点があります。

・誰から正式に頼まれたのか分からない
・何をもって完了なのか定義されていない
・判断が必要なのに、判断者が不明

こうしたタスクは、
進めても手応えがありません。
進捗報告もしづらく、
自然と後回しになります。

結果として、
「やっているようで進まない仕事」が
プロジェクト内に溜まっていきます。


担当不在が生む停滞

タスクが回っているようで進まない

責任が曖昧な状態でも、
タスク自体は動きます。

・資料は作られる
・調査は進む
・会議は開かれる

一見すると、
プロジェクトは回っているように見えます。
しかし、肝心な判断が下りないため、
成果にはつながりません。

これは、
決める人がいない状態が続いているからです。

決める人がいない状態が続く

新規事業では、
「作業」と「判断」が混在します。

責任が曖昧になると、
作業は進んでも、
判断だけが宙に浮きます。

・この方向でいいのか
・次に進んでいいのか
・ここで止めるべきか

誰も否定はしない。
でも、誰も決めない。
この状態が続くと、
プロジェクトは静かに停滞します。


善意で回ってしまう危険性

頑張る人ほど抱え込む

責任が曖昧な環境では、
「頑張れる人」が前に出ます。

・自分がやらないと止まる
・誰かがやらなければならない

こうした善意が、
プロジェクトを一時的に支えます。

しかし、
善意で引き取った仕事は、
正式な役割にならないまま残ります。
結果として、
特定の人に負荷が集中します。

属人化と燃え尽きが起きる

善意で回っていた仕事は、
気づけば属人化します。

・その人がいないと分からない
・引き継ぎができない
・判断基準が共有されていない

こうした状態が続くと、
担当者は疲弊します。
プロジェクトが止まる理由が、
「人が忙しいから」にすり替わってしまいます。

本質的な問題は、
役割と責任が設計されていないことです。


初期フェーズの責任設計

役割・決定権・責任の線引き

新規事業の初期フェーズでは、
完璧な役割分担は不要です。
ただし、最低限の線引きは必要です。

・誰が進めるのか
・誰が決めるのか
・誰が責任を持つのか

この三つが分かれていないと、
仕事は増えても前に進みません。

「誰が決めるか」を先に決める

特に重要なのは、
「誰が決めるか」を先に決めることです。

作業担当が複数いても構いません。
意見が分かれても問題ありません。
ただ、最終判断の置き場所だけは、
曖昧にしない方が進みやすくなります。

判断者が明確になると、
タスクは自然と整理されます。


PMが担う役割の線引き

PMが抱えない仕事を決める

プロジェクト推進の役割に入る
プロダクトマネージャーや推進役は、
何でも抱える存在ではありません。

むしろ重要なのは、
「これは自分の仕事ではない」と
線を引くことです。

・決める人に返す
・責任者を明確にする
・曖昧な依頼を整理する

こうした動きが、
責任の所在を浮かび上がらせます。

推進に必要な役割分担を固定する

推進役の価値は、
作業量ではなく、
構造を整えることにあります。

・役割が決まっていない仕事を放置しない
・判断が宙に浮いた状態を作らない
・善意に頼らない進め方を作る

これだけで、
新規事業は少しずつ前に進みやすくなります。


まとめ

新規事業で、
「誰の責任か分からない仕事」が増え始めた時、
それは停滞のサインです。

誰かが怠けているわけでも、
能力が足りないわけでもありません。
多くの場合、
役割と責任の設計が追いついていないだけです。

・誰が決めるのか
・誰が進めるのか
・誰が責任を持つのか

この整理をするだけで、
プロジェクトの見え方は大きく変わります。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「仕事は増えているのに進まない」と感じているなら、
一度、役割や責任の整理から見直してみることも、
選択肢のひとつです。

それが、
次の一歩につながることもあります。

目次