新規事業は「最初の1人」を間違えると、ほぼ失敗する

新規事業や新規プロダクトの立ち上げ初期で、
こんな感覚を抱いたことはないでしょうか。

「人は揃っているはずなのに、なぜか前に進まない」
「議論は多いのに、最初の一歩が踏み出せていない」

企画もある。
予算もある。
外注先も決まっている。

それでも、
誰が軸になって進めているのかが分からない。
気づくと、話は広がるばかりで、決まらない。

この違和感は、
能力不足や努力不足の話ではありません。
多くの場合、「最初の1人」の選び方によって生まれる構造です。

この記事では、
新規事業において「最初の1人」が持つ影響を、
人の良し悪しではなく、役割と構造の話として整理していきます。

目次

初期メンバー選定の重要性

最初の人が与える影響

新規事業の初期フェーズでは、
最初に関わる1人の影響が想像以上に大きくなります。

なぜなら、
その人の視点や癖が、
そのままプロジェクトの進め方になるからです。

何を重要と捉えるか。
どこで判断するか。
どの粒度で話を進めるか。

これらは、
明文化される前に、
最初の1人のやり方で自然と決まっていきます。

方向性が固定される理由

初期段階では、
「とりあえずこのやり方で進めよう」が積み重なります。

その結果、
後から人を増やしても、
進め方自体は変わりにくくなります。

これは悪いことではありません。
ただ、最初の前提がズレていると、
そのズレを抱えたまま進むことになります。

問題は、
誰を選んだかではなく、
どの役割の人を最初に置いたか、という点です。

よくある失敗パターン

企画だけの人

新規事業の最初の1人として、
企画力の高い人が選ばれることは少なくありません。

アイデアを出せる。
構想を語れる。
ビジョンを描ける。

ただ、企画だけに強い人が最初に立つと、
構想が広がり続ける構造になりやすくなります。

「もっと考えたほうがいい」
「まだ詰めきれていない」

その結果、
一歩目がいつまでも先送りになります。

制作だけの人

逆に、
制作や実装に強い人が最初に立つケースもあります。

作ることは進む。
形は見える。
ただ、なぜそれを作るのか、
どこまで作るのかが曖昧なまま進みやすくなります。

途中で方向転換が入ると、
手戻りが増え、
結果的にスピードが落ちます。

企画屋・制作屋だけの危険性

進める人がいない問題

企画屋でも、制作屋でも、
それぞれに価値はあります。

ただ、新規事業の初期フェーズでは、
「進める人」がいないとプロジェクトは止まります。

進めるとは、
作ることでも、考えることでもありません。

決めるための整理をし、
関係者を調整し、
一歩目を動かすことです。

判断が止まる構造

企画と制作が分断されると、
判断の空白が生まれます。

企画側は、
「作りながら考えたい」と言う。
制作側は、
「決まらないと作れない」と言う。

その間で、
誰も判断を引き取らない。

この構造が、
「人はいるのに進まない」状態を生みます。

推進できる人の条件

全体を見られる視点

初期フェーズで必要なのは、
特定分野の専門性よりも、
全体を見る視点です。

今は構想段階なのか。
検証段階なのか。
次に決めるべきことは何か。

こうした整理ができる人がいると、
議論は自然と前に進みます。

決断と調整ができる力

推進できる人は、
すべてを決める人ではありません。

決断を引き出し、
調整を重ね、
判断できる状態を作る人です。

不完全でも進める判断。
後で直す前提の合意。

この感覚を持っているかどうかが、
初期フェーズでは大きな違いになります。

外部人材を最初に入れる意味

社内だけでは難しい理由

社内の人材は、
どうしても既存事業の文脈を引きずります。

過去の成功体験。
社内ルール。
人間関係への配慮。

これらが、
初期フェーズの意思決定を重くすることがあります。

初期から外を使うメリット

外部の推進役を最初から入れることで、
人ではなく構造を見る視点が入りやすくなります。

誰が悪いのかではなく、
どこで止まっているのか。

最初の1人として、
外の視点を置くことは、
進め方を固定しすぎないための選択肢でもあります。

まとめ

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
最初の1人が、進め方そのものを形づくります。

それは、
能力の話でも、
相性の話でもありません。

どの役割を最初に置いたか、
という構造の話です。

もし今、
「人はいるのに進まない」
「誰が軸なのか分からない」
と感じているなら、
最初の前提を整理してみるのもひとつの選択肢です。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。

目次