新規事業の立ち上げ初期で、
こんな感覚を持ったことはないでしょうか。
会議は定期的に行われている。
スケジュールも引かれている。
資料も揃っていて、議論も活発です。
外から見ると、
「順調そうですね」と言われることもあります。
けれど、当事者として関わっていると、
どこか引っかかる感覚が残る。
前に進んでいるようで、
本当に進んでいるのか分からない。
この記事では、
立ち上げ初期に「うまくいっているように見える」
プロジェクトほど注意が必要な理由を、
個人の能力ではなく、構造の話として整理します。
表面上は順調に見える状態
会議も進捗もある
順調に見えるプロジェクトには、
いくつか共通する特徴があります。
定例会議が回っている。
進捗報告も毎回出てくる。
タスク表も更新されている。
「止まっている」感じはありません。
この状態は、
関係者に安心感を与えます。
少なくとも、何もしていないようには見えません。
問題が見えにくい
ただ、この段階では、
問題が表に出にくくなります。
なぜなら、
大きな衝突や失敗が
まだ起きていないからです。
表面的には整っているため、
「順調」という評価が先に立ち、
違和感が見過ごされやすくなります。
実は積み上がっている歪み
判断の先送り
一見うまく回っているプロジェクトでも、
よく見ると、
決まっていないことが多く残っています。
方向性は仮のまま。
優先順位も暫定。
判断は次回に持ち越し。
その場では合意したように見えても、
実際には「保留」が積み上がっていきます。
この状態が続くと、
後から一気に判断が必要になり、
プロジェクトは急に重くなります。
負債として溜まる課題
初期に決めなかったことは、
消えてなくなるわけではありません。
むしろ、
後になって「前提」として
影響してきます。
その時点で修正しようとすると、
関係者も増え、
作業も進んでいます。
結果として、
小さな未決定が、
大きな調整コストとして返ってきます。
見落とされがちなサイン
決まっていないことが多い
「細かいところは後で決める」
という言葉が増えていないでしょうか。
初期フェーズでは、
すべてを決める必要はありません。
ただ、
何を決めていて、
何を決めていないのかが
整理されていない状態は危険です。
決まっていないことが
把握されていない。
それ自体が、
見落とされがちなサインです。
役割が曖昧
誰が最終判断をするのか。
誰が調整を担うのか。
このあたりが曖昧なままでも、
初期はなんとなく進んでしまいます。
しかし、
論点が増えた瞬間、
役割の曖昧さが表に出ます。
その時になって初めて、
「誰が決めるのか」が問題になります。
途中で崩れる理由
前提が固まっていない
順調そうに見えるプロジェクトが、
途中で急に崩れる理由の一つは、
前提が固まっていないことです。
目的。
判断基準。
優先順位。
これらが共有されていないと、
進行するほどズレが大きくなります。
初期は目立たなかったズレが、
後半で一気に表面化します。
調整不足
立ち上げ初期は、
スピードを優先しがちです。
その結果、
内部調整や認識合わせが
後回しになります。
表面上はスムーズでも、
水面下では認識の差が広がっていく。
そして、
どこかのタイミングで
一気に噴き出します。
初期に確認すべき視点
誰が決めているか
今のプロジェクトでは、
実際に誰が決めているでしょうか。
役職上の責任者ではなく、
実務として判断を下している人です。
ここが曖昧な場合、
順調に見えても、
不安定な状態と言えます。
本当に前に進んでいるか
タスクが進んでいることと、
前に進んでいることは
必ずしも一致しません。
前提が整理され、
判断が積み重なっているか。
次の選択肢が狭まっているか。
こうした視点で見ると、
「進んでいるように見えるだけ」
という状態に気づくことがあります。
まとめ
立ち上げ初期に、
うまくいっているように見えるプロジェクトは、
必ずしも安全ではありません。
むしろ、
問題が見えにくい分、
気づいた時には
修正が難しくなっていることもあります。
大切なのは、
順調かどうかを評価することではなく、
何が決まり、
何が決まっていないのかを
把握していることです。
新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。
