新規事業の立ち上げで、最初にやってはいけない5つのこと

新規事業や新規プロダクトの立ち上げ初期には、
独特の高揚感と不安が同時に存在します。

「早く動かないと」
「今がチャンスかもしれない」
「とりあえず形にしよう」

そう考えて走り出したものの、
数週間、数か月が経った頃に、
ふと立ち止まってしまう。

やっていることは多い。
関係者も増えている。
それでも、前に進んでいる実感がない。

この状態は、
珍しいものではありません。
多くの場合、初動でやらなくてよかったこと
時間とエネルギーを使ってしまっています。

この記事では、
新規事業の立ち上げで
「最初にやってはいけないこと」を
失敗談ではなく、構造の話として整理します。

目次

よくある初動ミス

いきなり作り始める

新規事業の立ち上げで、
最もよく見かけるのがこのパターンです。

アイデアが出る。
イメージが湧く。
「まずは作ってみよう」と動き出す。

この判断自体が、
必ずしも間違いとは限りません。

ただ、作る前に
「何を検証したいのか」
「今は構想段階なのか」
が整理されていないと、
作業が目的化しやすくなります。

結果として、
完成したものを前にして
「で、次は何をすればいいのか」
という状態に陥りがちです。

人やツールを先に揃える

立ち上げ初期では、
体制づくりに意識が向きやすくなります。

メンバーを集める。
ツールを導入する。
外注先を決める。

これらは必要なプロセスですが、
順番を誤ると負担になります。

進め方が定まっていない状態で
人やツールを揃えると、
調整だけが増えていきます。

人数が増えるほど、
判断は重くなり、
意思決定は遅くなります。

初期フェーズ特有の落とし穴

情報不足を無視する

新規事業の初期フェーズでは、
情報が足りないのが前提です。

市場の反応。
ユーザーの行動。
運用上の制約。

それにもかかわらず、
「分かったつもり」で進めてしまうと、
後から大きな修正が必要になります。

情報不足を無理に埋めようとすると、
仮説ではなく思い込みが増えていきます。

初期フェーズでは、
分からないことを分からないまま扱う姿勢が
むしろ重要になります。

全部決めようとする

「最初に全部決めておきたい」
という気持ちは、とても自然です。

ただ、初期フェーズで
すべてを決めることは現実的ではありません。

決められること。
決められないこと。
今は決めなくていいこと。

この切り分けがないまま進むと、
判断が止まりやすくなります。

結果として、
検討だけが長引き、
一歩目が踏み出せなくなります。

やらなくていいことの整理

後回しでよい判断

初期フェーズでは、
「後回しにしても問題ない判断」が多くあります。

詳細な仕様。
完璧な収益モデル。
長期の組織設計。

これらは重要ですが、
一歩目を動かすために
必須ではないことも多いです。

後回しにできる判断を
無理に前倒しすると、
エネルギーが分散します。

今やる意味がない作業

やっている感が出やすい作業ほど、
注意が必要です。

見栄えの良い資料づくり。
細かすぎるルール整備。
説明のための説明。

これらは、
進んでいるように見えて、
実際の判断材料を増やしません。

今やる意味があるかどうか。
この視点が、初動では特に重要になります。

優先順位の考え方

初期の判断軸

初期フェーズでは、
優先順位の軸をシンプルに保つことが大切です。

今、何を検証したいのか。
そのために必要な一歩は何か。

この軸があるだけで、
やること・やらないことの判断がしやすくなります。

複数の目的を同時に追うと、
判断は曖昧になりやすくなります。

重要度の見極め

重要そうに見えることと、
今重要なことは一致しません。

初期フェーズで重要なのは、
「次の判断につながる情報」を得ることです。

その視点で見ると、
多くの作業は後回しにできます。

重要度を見極めることで、
遠回りを減らすことができます。

遠回りしないための判断軸

進め方を決める

何を作るかよりも先に、
どう進めるかを決める。

これは、
初期フェーズで特に重要な視点です。

誰が決めるのか。
どこまでを仮で進めるのか。
いつ見直すのか。

進め方が定まっていれば、
多少のズレは修正できます。

進め方が定まっていないと、
どんなに良いアイデアでも止まります。

推進役を置く

初動で見落とされがちなのが、
推進役の存在です。

作業をする人。
意見を出す人。
それらは揃っていても、
全体を前に進める役割がいない。

プロダクトマネージャーや推進役は、
成果物を作る人ではありません。

判断を整理し、
調整を行い、
一歩目を動かすための環境を整えます。

この役割があるかどうかで、
初動のスムーズさは大きく変わります。

まとめ

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
「やるべきこと」よりも、
「やらなくていいこと」を見極めることが重要です。

初動で遠回りしてしまう理由の多くは、
能力や熱量の問題ではなく、
順番と構造の問題です。

もし今、
「何から手を付ければいいか分からない」
「動いているのに進んでいない気がする」
と感じているなら、
それは自然な違和感です。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。

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