新規事業の立ち上げ初期で、
外注を使い始めたものの、なぜか進まなくなる。
・やり取りは増えている
・資料や成果物も出てくる
・しかし、前に進んでいる実感がない
そんな状態に心当たりがある方もいるかもしれません。
この違和感の背景には、決定権が曖昧なまま外注している構造が潜んでいることがあります。
よくある外注前の状態
誰が決めるか未定
外注を検討する段階では、
「とりあえず動かしたい」という気持ちが先に立ちがちです。
・詳細は走りながら決める
・大枠だけ共有して進める
・最終判断はその都度考える
こうした状態のまま、外注が始まります。
社内では、
「誰が最終的に決めるのか」
「どこまで外注側に任せてよいのか」
が明確になっていません。
期待だけが先行
一方で、期待は膨らみます。
・プロに任せれば形になるはず
・うまく整理してくれるだろう
・良い提案を出してくれるはず
外注に対する期待自体は自然なものです。
ただ、その期待が「判断まで任せたい」という無意識の前提に変わると、
ズレが生まれ始めます。
なぜ迷走するのか
外注は決められない
外注先は、
決定権を持つ存在ではありません。
どれだけ経験があり、提案力があっても、
最終的な判断を下す立場ではないことがほとんどです。
・方向性をどうするか
・優先順位をどう置くか
・どこまで踏み込むか
これらは、事業側が決める必要があります。
決定権が曖昧なままだと、
外注側は「確認」を増やすしかありません。
判断が社内に戻る
外注から提案が出る。
しかし、そのたびに判断が社内に持ち帰られます。
・上に確認する
・関係者に相談する
・別の意見を聞く
その結果、
判断に時間がかかり、修正が増えます。
外注は進めているつもりでも、
実際には「判断待ち」で止まっている状態です。
外注が止めてしまう進行
修正が増える
決定権が曖昧なまま外注すると、
修正が増えやすくなります。
・方向性が変わる
・前提が後から修正される
・「やっぱり違う」という判断が出る
これは、外注の質の問題ではありません。
判断の前提が固まっていないまま進めている構造が原因です。
信頼関係が崩れる
修正が続くと、
外注側も慎重になります。
・確認が増える
・踏み込んだ提案を避ける
・無難なアウトプットになる
一方、事業側も
「思ったように進まない」
「期待と違う」
と感じ始めます。
こうして、
本来は前進のために使ったはずの外注が、
進行を重くしてしまう状態になります。
外注前に整えるべき前提
決定者
外注を始める前に、
最低限必要なのは決定者の明確化です。
・誰が最終的に決めるのか
・どの判断まで委ねるのか
・どこから先は持ち帰るのか
すべてを決め切る必要はありません。
ただ、「この範囲はこの人が決める」という線引きがあるだけで、
外注は格段に進みやすくなります。
判断範囲
もうひとつ重要なのが、
判断範囲の共有です。
・構想段階で揺れてよい部分
・仮説として置いている部分
・変えてはいけない前提
これらが共有されていないと、
外注側は毎回探りながら進めることになります。
判断範囲が整理されていると、
提案の質も自然と変わってきます。
推進役が入る意味
外注を前に進める
推進役の役割は、
外注を「管理すること」ではありません。
・判断を整理する
・論点を明確にする
・決定のタイミングをつくる
こうした調整があることで、
外注は本来の力を発揮しやすくなります。
外注が前に進むのは、
指示が細かい時ではなく、
判断が滞らない時です。
判断を滞らせない
新規事業の初期フェーズでは、
すべてが不確実です。
だからこそ、
判断が曖昧になりやすく、
外注に期待が寄りやすくなります。
推進役は、
その曖昧さを否定せず、
「今、何が決まっていて、何が決まっていないか」を整理します。
それだけで、
外注との関係性は大きく変わります。
まとめ
新規事業で外注が迷走する時、
原因は外注そのものにあるとは限りません。
多くの場合、
決定権や判断範囲が曖昧なまま進んでいる構造が影響しています。
誰かが悪いわけではありません。
初期フェーズでは、よく起きることです。
新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。
外注を変える必要があるとは限りません。
判断の置きどころを、少し見直すだけで、
前に進みやすくなることもあります。
今の段階でも、整理していい。
そう考えるところから、
次の一歩が見えてくることもあります。
