外注先が悪いわけではないのに、なぜプロジェクトは失敗するのか

新規事業や新規プロダクトの立ち上げで、
外注先と一緒に進めているにもかかわらず、
どこか噛み合っていない感覚を覚えたことはないでしょうか。

制作物は上がってくる。
レスポンスも極端に遅いわけではない。
それでも、前に進んでいる実感がない。

次第に、
「外注先の理解が足りないのではないか」
「期待していた動きと違う」
そんな空気が現場に漂い始めます。

ただ、少し立ち止まって振り返ると、
外注先が明確に悪いことをしているわけではない。
それでも結果として、プロジェクトは停滞してしまう。

この状況は、決して珍しいものではありません。
そして多くの場合、問題は個人や会社の質ではなく、
構造の中にあります。

目次

制作会社や開発会社が責められる構図

期待値が外注に集中する理由

外注を使うとき、
無意識のうちに期待が集まりやすくなります。

「プロなんだから分かってくれるはず」
「うまく形にしてくれるだろう」

特に新規事業の初期フェーズでは、
内部で整理しきれていないものを、
外注先が補完してくれるのではないか、
という期待が生まれやすくなります。

その結果、
判断や整理までを外注に委ねてしまう構図が生まれます。

問題のすり替え

進まなくなったとき、
原因を特定するのは簡単ではありません。

判断が遅れている。
前提が揺れている。
ゴールが曖昧。

こうした内部の問題は、
自分たちでは気づきにくいものです。

一方で、
目の前にいる外注先は、
分かりやすい「対象」になります。

結果として、
本来は構造の問題であるにもかかわらず、
「外注先がうまくやってくれない」という形に
すり替わってしまうことがあります。

本当のボトルネック

判断と整理の不在

多くのケースで、
プロジェクトが止まる本当の理由は、
「決められないこと」にあります。

何を優先するのか。
どこまでを仮で進めるのか。
今、決めるべきことは何か。

これらが整理されていないまま進むと、
外注先は手を動かしづらくなります。

作業はできても、
判断までは引き受けられない。
それが外注という立場の限界です。

外注は決められない

外注先は、
あくまで外部のパートナーです。

最終的な意思決定をする権限も、
事業の責任も持っていません。

それにもかかわらず、
「どうするべきか」を外注に求めてしまうと、
判断は宙に浮きます。

外注先が悪いのではなく、
決めるべき場所が空白になっている
これがボトルネックになりやすい構造です。

外注が機能する条件

前提とゴールが共有されているか

外注がうまく機能しているプロジェクトでは、
細部よりも前提が共有されています。

なぜこの事業をやるのか。
今は検証なのか、構築なのか。
成功の定義はどこにあるのか。

これらが共有されていないと、
外注先は「正解」を探し続けることになります。

その結果、
確認や修正が増え、
スピードは落ちていきます。

判断者が明確か

もうひとつ重要なのが、
誰が決めるのかが明確かどうかです。

外注先が迷ったとき、
誰に聞けばいいのか。
誰の判断を正として進めればいいのか。

ここが曖昧だと、
外注先は慎重にならざるを得ません。

それは責任感の表れでもありますが、
結果としてプロジェクトは重くなります。

間に入る推進役の役割

外注と内部をつなぐ存在

外注がうまく機能するプロジェクトには、
必ずと言っていいほど、
内部と外部をつなぐ推進役が存在します。

この役割は、
単なる窓口ではありません。

内部の考えを整理し、
外注先に伝わる形に変換する。
外注先からの問いを、
内部の判断につなげる。

こうした翻訳と調整が、
プロジェクトを前に進めます。

全体を前に進める調整

推進役は、
成果物を作る人ではありません。

今、何が詰まっているのか。
どこで判断が止まっているのか。
次に何を決めれば動くのか。

全体を俯瞰しながら、
前に進むための調整を行います。

プロダクトマネージャーが
この役割を担うことも多いですが、
肩書きよりも役割の有無が重要です。

外注活用がうまくいくプロジェクトの特徴

推進役がいる

外注が活きるプロジェクトでは、
判断と整理を担う推進役がいます。

その存在によって、
外注先は安心して手を動かせます。

迷ったときに立ち戻る軸があり、
決断のスピードも保たれます。

役割分担が明確

誰が決めるのか。
誰が作るのか。
誰が調整するのか。

この役割分担が明確なほど、
外注との関係は健全になります。

期待が集中しすぎることもなく、
責任の所在も曖昧になりません。

まとめ

外注先が悪いわけではないのに、
プロジェクトがうまくいかない。

その背景には、
判断や整理の空白があることが少なくありません。

外注は、
魔法の存在ではありません。
同時に、
問題の原因でもありません。

もし今、
「外注を使っているのに進まない」
「どこが詰まっているのか分からない」
と感じているなら、
一度、構造を整理してみる。

それも、十分に自然な選択肢です。

新規事業や新規プロダクトの立ち上げでは、
進め方が定まらないまま立ち止まってしまうことは珍しくありません。
もし「どう進めればいいか分からない」と感じているなら、
一度、状況を整理してみることも選択肢のひとつです。

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